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Web担当者を育てる社内研修カリキュラム|未経験・兼任担当者を実務レベルに育成する方法
AI活用 Webマーケティング 業務改善 組織・人材社内のWeb担当者を任命したものの、「何を教えれば実務で使えるようになるのか」と悩む企業は少なくありません。
中小企業では総務・営業・広報・事務などの社員が本来業務と兼任でWeb担当を任されるケースも多く、いきなり高度な制作スキルや専門知識を求めるのは現実的ではありません。
大切なのはWebサイトの基本運用、SEO、アクセス解析、KPI管理、外注先への依頼・ディレクションなど、実務で必要な知識を段階的に身につけてもらうことです。
この記事では未経験・兼任の社員をWeb担当者として育成するための社内研修カリキュラムと、運用時のポイントを解説します。
この記事でわかること
- Web担当者が社内で果たすべき本当の役割
- 中小企業の運用に落とし込んだ、優先すべき6つの必須スキル
- 【未経験者向け】基礎を固める3ヶ月研修カリキュラム
- 【集客強化向け】数字を動かす6ヶ月研修カリキュラム
- 研修の成果を実務へ即繋げるための「実践課題」の例
- 失敗を防ぐための、内製すべき業務と外注すべき業務の切り分け方
- 研修終了後にチームで回すための「運用・報告体制」の作り方
- Web担当者育成の現場でよくある失敗パターンと対策
Web担当者とは何をする人か

カリキュラムを組む前に、まずは社内における「Web担当者」の役割を明確に定義しておく必要があります。多くの企業で育成がうまくいかないのは、この担当者の役割が「パソコンに詳しいから、なんとなくホームページの面倒を見る人」という曖昧な状態になっているためです。
Web担当者とは、自社のWebサイトや各種Web集客施策を適切に管理・改善していく責任者のことです。単に「上司から言われたお知らせ文をホームページにコピー&ペーストして更新するだけの人」ではありません。
Webサイトやデジタル施策を通じて、問い合わせの獲得、資料請求、採用への応募、来店予約、ECでの売上など、会社が設定した「具体的な成果(コンバージョン)」を増やすことが本来の役割です。
Web担当者の主な業務
中小企業のWeb担当者が日々の実務で行うべき主な業務を一覧に整理しました。研修を通じて、これらの業務を自立して行える状態を目指していきましょう。
| 業務カテゴリ | 具体的な実務内容 |
|---|---|
| Webサイト更新 | 社内のお知らせ、ブログ記事、新着情報、事例ページ、サービス情報の文字修正や更新 |
| コンテンツ管理 | SEOを意識したコラムの執筆、導入事例のインタビュー整理、FAQやホワイトペーパーの企画・管理 |
| アクセス解析 | Googleアナリティクス(GA4)やGoogleサーチコンソールを使い、サイトへの流入数やCV数を確認する |
| KPI管理 | 月次の一問合わせ数、コンバージョン率(CVR)、アクセス数、営業への商談化率などの推移を測定・管理する |
| SEO対策 | 自社の見込み客が検索しそうなキーワードの選定、既存ページのタイトル改善や見出しの構成検討 |
| Web広告管理 | 広告代理店から届くレポートの確認、定例ミーティングでの成果判断、次月の予算割り振りの相談 |
| SNS・MEO管理 | 公式SNSの定期投稿、Googleビジネスプロフィールの店舗情報更新や、届いた口コミへの返信対応 |
| 外注ディレクション | 制作会社やライター、デザイナーへ向けた正確な依頼書の作成、成果物の内容確認、修正指示 |
| 社内報告 | 自社サイトの健康状態をまとめた月次レポートの作成、上司や経営層への改善提案の共有 |
Web担当者にすべての作業を内製させる(自社だけで完結させる)必要はありません。
重要なのは、自社で絶対に管理すべき「戦略・数字の確認」の部分と、外部の専門家に任せるべき「高度な技術」の部分を、担当者自身が正しく切り分けられるようになることです。
Web担当者に必要なスキル

Web担当者に求められるスキルは非常に広範囲にわたりますが、すべての力を作家レベルで習得する必要はありません。中小企業では、まず“Webサイトを正しく運用し、成果を判断し、改善の依頼ができる状態”を目指すことが現実的です。
実務で本当に使う順番に合わせた、6つの必須スキルを体系的に解説します。
1. Webサイト運用スキル
まずは基本となる、自社のWebサイトをシステム(WordPressなどのCMS)を使って直接操作・更新できるスキルです。
- お知らせやブログ記事、導入事例などの新規ページを正しく作成・投稿できる
- 既存ページのテキストの文字修正、画像の差し替え、リンクの追加ができる
- ページを一般公開する前に、誤字脱字、リンク切れ、PC・スマホ双方での表示崩れが無いかをテスト環境でチェックできる
- 複数人で運用する場合の、更新ルールや簡易マニュアル、チェックリストを作れる
2. Webマーケティングの基礎知識
Webサイトは「作って終わり」の看板ではなく、見込み客を集めて売上に繋げるための強力な営業ツールです。そのため、デジタルマーケティング全体の構造を頭に入れておく必要があります。
- SEO(自然検索)、Web広告、SNS、MEO(マップ対策)、メールマーケティングなど、それぞれの集客手法の全体像を理解する
- 各施策が、ユーザーのどのような検討フェーズ(認知、興味、比較、検討など)に効果的なのかという役割を把握する
- 自社のビジネスモデル(BtoBなのかBtoCなのか)に合わせて、今どの施策を優先的に行うべきかを論理的に判断できるようになる
各施策の役割の例
- SEO:検索エンジン経由で、自社のサービスに深い関心を持つ顕在層・潜在層の見込み客を長期的に増やす。
- Web広告:予算を投じることで、短期的にアクセスを増やし、今すぐ客(顕在層)へ最速でアプローチする。
- SNS:日常的な発信を通じて、自社の認知を広げるとともに、既存の顧客やファンとの長期的な関係性を作る。
- MEO:Googleマップ上の情報を最適化し、店舗周辺や地域名で検索したユーザーの来店・問い合わせを増やす。
- メールマーケティング:過去に資料ダウンロードや名刺交換をした見込み客に対して、継続して役立つ情報を届けて接点を維持する。
3. SEO・コンテンツ制作スキル
検索エンジンで自社のサイトを上位に表示させ、無料のアクセスを安定して獲得するための基本スキルです。
- 検索ボリューム、検索意図、キーワード選定といった、SEOの基本用語と仕組みを理解する
- 自社のターゲット顧客が「どんな悩みを抱え、どんなキーワードで検索するか」を想像し、具体的な記事のテーマを企画できる
- 記事をすべて自分一人で執筆できなくても、外部のライターへ執筆を依頼するための「記事の構成案」や「執筆指示書(レギュレーション)」を作成できる
- 記事が公開された後、Googleサーチコンソールを使って狙ったキーワードで実際に順位がついているか、流入があるかを確認できる
4. アクセス解析・KPI管理スキル
Webサイトの現状を「感覚」ではなく「数字」で正しく評価するためのデータ管理スキルです。
- Googleアナリティクス(GA4)やGoogleサーチコンソールの管理画面を開き、実務に必要な基本の指標を迷わず見つけられる
- Webサイトの成果を、単なる「アクセス数(PV数やセッション数)」だけで判断せず、売上に繋がる中間の指標をセットで追う習慣をつける
- 毎月末に、前月比や前年同月比のデータをまとめたシンプルな月次レポート(数値管理表)を社内向けに作成できるようになる
必ずチェックすべき主要な数字
- セッション数:Webサイト全体の訪問回数。そもそも十分な人が訪れているか
- 検索表示回数・クリック数:検索結果に自社サイトが何回表示され、そのうち何回クリックされたか
- CV(コンバージョン)数:問い合わせ、資料請求、予約など、サイトが獲得した最終成果の件数
- CVR(コンバージョン率):サイトを訪れた人のうち、どれくらいの割合(%)が成果に至ったか。ページの成約力を表す
- 商談化率:Webから届いた問い合わせのうち、営業部門が実際の商談(アポイント)へ進めることができた割合
5. 外注ディレクションスキル
中小企業のWeb担当者にとって、最も重要と言っても過言ではないのが、外部のパートナーを上手に動かすコミュニケーションスキルです。
- デザインの変更や新機能の追加を行う際、外部の制作会社、広告代理店、デザイナー、ライターに対して、自社の「目的、希望納期、対象となるURL、具体的な修正内容、参考にする他社事例」をズレなく明確に伝える文章を作れる
- 外部から提示された見積書や事業提案書を見たときに、その内訳や専門用語の意味を最低限理解し、自社にとって妥当な金額・内容かを判断できる
- 納品された成果物(Webページや記事など)に対して、事前に依頼した要件を満たしているか、不備がないかをチェックできる
6. AI活用スキル
リソースの限られた兼任担当者が、1人で何倍もの実務を効率的かつハイクオリティにこなすために、2026年現在のWeb実務において「生成AI(ChatGPTやGeminiなど)の使いこなしスキル」は必須科目です。
- 生成AIを活用して、自社の業界における競合サイトの調査の壁打ち、SEO記事のキーワード候補出し、タイトルの大量作成、FAQ(よくある質問)の文章案作成などを数分で行う方法を身につける
- AIが出力した文章をそのままサイトに載せるのではなく、必ず人間の目で「情報の正確性」「自社らしさ」「不自然な表現の有無」をチェックし、リライト(修正)できる応用力を持つ
- 著作権の侵害、社内の機密情報や顧客の個人情報を入力しないといった、AIを安全に扱うためのセキュリティルールやマニュアルを遵守できる
| Web担当者の実務 | 生成AIで具体的に効率化できること |
|---|---|
| 競合サイトの調査 | 競合他社のWebサイトの見出し構造を整理させたり、自社との比較表の骨子を作らせたりする。 |
| SEO記事の企画 | 狙いたいキーワードを入力し、読者のニーズに沿った「記事のタイトル案」や「見出し構成案(プロット)」を瞬時に作成させる。 |
| ページの成約力改善 | 問い合わせボタン(CTA)のクリック率を上げるための文言のアイデア出しや、ページに設置するFAQの文章案を大量に作成して壁打ちする。 |
| レポートの作成 | Googleアナリティクスから抽出した複雑な数値データをAIに読み込ませ、現在の「強み・弱み」の傾向や改善点の要約を箇条書きで整理させる。 |
| SNS・MEO運用 | 来月のSNSの投稿テーマのスケジュール案や、ユーザーの目を引くショートメッセージのバリエーション、キャンペーンの企画案を作成させる。 |
| 外注先への指示管理 | 制作会社へ送るための「Webサイト修正の依頼文」のテンプレートや、外部ライターから上がってきた記事を確認するためのチェックリストを作成させる。 |
Web担当者研修を始める前に決めること

具体的なカリキュラムへ進む前に、社内の研修設計の前提として、経営層や上司が必ず事前に決めておかなくてはならない3つの重要項目があります。ここが曖昧なまま研修をスタートしてしまうと、学習の方向性がぶれてしまい、実務に繋がらなくなります。
Web担当者にどこまで任せるか決める
自社のWeb担当者に、将来的に「どのような業務範囲の責任を持たせるか」のゴールラインを設定してください。
すべてのWebマーケティング業務を最初から兼任の担当者に任せるのは不可能です。まずは「初級(守りの運用)」からスタートし、本人の慣れや成果に合わせて段階的にレベルを引き上げていく設計にしましょう。
| 育成レベルの目安 | 実務として社内で任せる具体的な業務範囲 |
|---|---|
| 初級レベル | 自社サイトのお知らせ・ブログの更新作業、簡単な文字・画像の修正、月次の基本的なアクセス数値の確認と社内共有。 |
| 中級レベル | 自社で狙うべきSEO記事の企画や構成案作成、アクセス解析ツールを使った課題の抽出、外注先(制作会社等)への正確な修正指示。 |
| 上級レベル | Web集客全体のKPI(目標数値)の設計、広告代理店のコントロール、自社の売上を最大化するための新しいWeb施策の立案と実行。 |
専任か兼任かを決める
担当者を「Web業務だけに集中させる専任」とするのか、「他の通常業務(営業や事務など)を持たせたままの兼任」とするのかを明確にしてください。
特に兼任の場合は、「週に何時間をWeb担当者としての実務や学習の時間に割り振るか」を、上司が本人のスケジュールからあらかじめ公式に差し引いて確保してあげる必要があります。
通常の業務で手一杯の状態で「手の空いた時間にWebの勉強もしておいて」という指示の出し方では、100%途中で挫折します。
週に最低でも5〜10時間程度はWeb実務と研修に取り組める時間を確保するように調整してください。
内製する業務と外注する業務を決める
Web担当者育成の最終的な目的は、会社のすべてのWeb作業を完全に自社内で内製化(自作)することではありません。
中小企業が目指すべきは、社内でやったほうが圧倒的にスピードが早くノウハウが溜まる「内製向きの業務」と、自社で無理にやろうとするとクオリティが下がり非効率になる「外注向きの業務」を綺麗に切り分け、担当者がそれぞれのハブ(窓口)として外注先をコントロールできるようになることです。
未経験者向け|3ヶ月のWeb担当者研修カリキュラム

未経験・兼任のWeb担当者を育てる場合、まずは3ヶ月で“基本的なWeb運用ができる状態”を目指しましょう。
最初からSEOや広告を高度に運用してもらうのではなく、Webサイトの仕組み、更新作業、アクセス解析、外注先とのやり取りを段階的に学んでもらうことが大切です。
1ヶ月目:Web担当者の役割とWebサイト運用を理解する
1ヶ月目は、Web担当者としての自覚を持ち、自社サイトの全体像と構造を把握すること、そしてCMS(WordPressなど)の基本操作をマスターして自力で更新作業ができるようになることを目指します。
1ヶ月目の研修テーマ
| 週 | 研修テーマ | 学ぶ内容 | 実践課題 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | Web担当者の役割 | Webサイトの目的、問い合わせ導線、担当範囲 | 自社サイトの目的を整理する |
| 2週目 | 自社サイトの構造理解 | トップページ、サービスページ、記事、問い合わせページ | サイトマップを作る |
| 3週目 | CMS基本操作 | 投稿、固定ページ、画像、リンク、見出し | テスト記事を作成する |
| 4週目 | 更新チェック | 誤字、リンク切れ、表示確認、スマホ確認 | 公開前チェックリストを作る |
1ヶ月目の到達目標
- 自社サイトの構成を説明できる
- CMSで基本的な更新ができる
- お知らせやブログを公開できる
- 公開前チェックができる
- Web担当者として何を管理すべきか理解できる
2ヶ月目:SEO・コンテンツ・アクセス解析の基礎を学ぶ
2ヶ月目は、Webサイトへ人を集めるための基本的な仕組みである「SEO」と、集まったユーザーの動きを測定する「アクセス解析」の基礎を学びます。
アクセス数を追うだけでなく、ビジネスの成果(問い合わせ等)に繋がる視点を養うことが大切です。
2ヶ月目の研修テーマ
| 週 | 研修テーマ | 学ぶ内容 | 実践課題 |
|---|---|---|---|
| 5週目 | SEO基礎 | キーワード、検索意図、タイトル、見出し | 自社に関係するKWを20個出す |
| 6週目 | コンテンツ企画 | 記事テーマ、読者ニーズ、導線設計 | 記事案を5本作る |
| 7週目 | Search Console | 表示回数、クリック数、掲載順位 | 流入KWを確認して表にまとめる |
| 8週目 | GA4基礎 | セッション、流入元、CV、CVR | 月次レポートの下書きを作る |
2ヶ月目の到達目標
- SEOの基本用語を理解できる
- 自社に必要な記事テーマを考えられる
- Google Search Consoleで検索流入を確認できる
- GA4で基本的な集客状況を確認できる
- 月次レポートの下書きを作れる
3ヶ月目:改善提案・外注管理・AI活用を学ぶ
3ヶ月目は、蓄積されたデータをもとにWebサイトの課題を見つけ出し、具体的な改善策を立てるスキルを学びます。あわせて、外部の制作会社への適切なディレクション方法や日々の実務を効率化するためのAI活用法を習得することが大切です。
3ヶ月目の研修テーマ
| 週 | 研修テーマ | 学ぶ内容 | 実践課題 |
|---|---|---|---|
| 9週目 | Webサイト改善 | CTA、導線、フォーム、サービスページ改善 | 自社サイトの改善点を10個出す |
| 10週目 | 外注ディレクション | 依頼文、修正指示、見積もり確認 | 制作会社への依頼文を作る |
| 11週目 | AI活用 | 記事案、FAQ、タイトル、レポート要約 | AIで記事構成案を作る |
| 12週目 | 最終課題 | 月次レポート、改善提案、次月施策 | 自社サイト改善提案書を作る |
3ヶ月目の到達目標
- Webサイトの改善点を見つけられる
- 外注先へ具体的な依頼ができる
- AIを使ってWeb業務を効率化できる
- 月次レポートと改善提案を作れる
- 研修後にWeb担当者として基本業務を回せる
Web集客まで任せる|6ヶ月のWeb担当者研修カリキュラム

Web担当者に更新作業だけでなく、Web集客の改善まで任せたい場合は、6ヶ月程度の育成期間を見込むと現実的です。
3ヶ月で基本運用を身につけ、4ヶ月目以降で広告、SNS、MEO、KPI設計、改善提案を強化するという流れです。
6ヶ月カリキュラムの全体像
後半の3ヶ月ではWeb広告やSNS、MEOといった様々な集客施策の仕組みを学び、それらを統合した目標管理(KPI設計)と外部パートナーのコントロール力を養うフェーズへと移行します。
| 月 | 研修のメインテーマ | 到達目標のイメージ |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | Web担当者の役割・サイト運用 | 自社サイトの構造を理解し、基本的な更新作業ができる状態 |
| 2ヶ月目 | SEO・コンテンツ基礎 | ユーザーの検索意図を汲み取った記事企画や、検索流入の確認ができる状態 |
| 3ヶ月目 | アクセス解析・改善提案 | GA4の基本数値を読み解き、月次レポートと簡易な改善案を作れる状態 |
| 4ヶ月目 | Web広告・SNS・MEO基礎 | 各種集客施策の違いと、外部に依頼する際の管理ポイントを理解した状態 |
| 5ヶ月目 | KPI設計・CV改善 | 問い合わせまでの導線や入力フォームの課題を見つけ、CVRを改善できる状態 |
| 6ヶ月目 | 外注管理・社内報告・運用定着 | 外部の専門会社と対等に連携し、社内の経営層へ成果報告ができる状態 |
全社員に一律のカリキュラムを提供するのではなく、それぞれの実務特性に配慮した「共通の基礎+部門別の演習」を組み合わせた実践的な研修が効果を発揮します。
4ヶ月目:Web広告・SNS・MEOの基礎
4ヶ月目はSEO以外の主要なWeb集客施策について、その仕組みと特徴を体系的に学びます。自社で直接運用しない場合でも、広告代理店や外部の運用会社と対等にやり取りするための共通言語を身につけることが目的です。
- Web広告の基本:リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告などの違いや、CTR(クリック率)、CPC(クリック単価)、CPA(獲得単価)といった基本指標の読み方を習得する。
- SNSの役割理解:各プラットフォーム(X、Instagram、Facebookなど)の特徴を捉え、自社のビジネスにおいてどの媒体をどう活用すべきかの基本戦略を理解する。
- MEO(ローカルSEO)の管理:店舗ビジネスや地域密着型サービスの場合に必須となる、Googleビジネスプロフィールの正しい設定方法や、写真の追加、口コミへの返信対応のルールを学ぶ。
実践課題の例
- 自社のビジネスモデルにおいて、本当に強化すべきWeb集客施策はどれかを整理して書き出す
- 広告代理店から過去に届いたレポートを実際に読み、数字の意味を説明する練習を行う
- Googleビジネスプロフィールの登録情報を確認し、不足している情報や写真を補完する
- 自社SNSの投稿テーマやスケジュールを1ヶ月分あらかじめ企画してカレンダーにまとめる
5ヶ月目:KPI設計とCV改善
5ヶ月目はWeb集客の成果を「アクセス数の増減」という表面的な数字だけで判断せず、売上に繋がる一連のプロセスとして評価するKPI管理の手法を学びます。さらに、集まったアクセスを確実に成果へ変えるためのWebサイト内の改善スキルを身につけます。
- 主要KPIの連動性を学ぶ:セッション数、CV数、CVR、CPA、さらには営業部門へ引き渡した後の商談化率までがどのように掛け算で繋がっているかを理解する。
- ユーザー導線のチェック:各ページから問い合わせボタン(CTA)への誘導がスムーズか、ユーザーの心理に寄り添って確認する。
- 入力フォームの最適化(EFO):問い合わせや資料請求の入力画面において、ユーザーが途中で入力を諦めて離脱してしまわないための改善案(項目の削減やエラー表示の分かりやすさなど)を立案する。
実践課題の例
- 自社サイトの現状の数字をもとに、来期の目標に向けた「主要KPIの5つの数値」を実際に設定する
- ユーザーの目線になりきって自社サイトを操作し、問い合わせを完了するまでの導線に不自然な点がないかを確認する
- 自社の問い合わせフォームの入力項目を見直し、不要な項目を削るための具体的なフォーム改善案を作成する
- サイト内で特にアクセスが多いにもかかわらずコンバージョンが起きていないページを特定し、CVRを上げるための仮説をまとめる
6ヶ月目:外注管理・社内報告・運用定着
最終月となる6ヶ月目はWeb担当者がすべての実務を1人で抱え込んでパンクしてしまわないよう、社内外の体制を整えて「長期的に回る仕組み」を構築するフェーズです。
経営層に対して、Web施策の成果を数字で分かりやすく報告するスキルも磨きます。
- 外部パートナーとの役割分担:自社で対応する範囲と、制作会社や広告代理店、外部のライターなどに任せる範囲の境界線を明確に引き、ディレクションの効率化を図る。
- 社内向け月次レポートの作成:経営層や上司が求めているのは、細かすぎる専門データではなく「いくら投資して、どのような成果が出て、次はどこを直すのか」という結論です。これをA4用紙1〜2枚程度に分かりやすくまとめる手順を習得する。
- 運用のマニュアル化:担当者自身の異動や退職などのリスクに備え、ログイン情報の管理方法や日々の更新手順をドキュメントに記録し、組織として属人化を防ぐ体制を作る。
実践課題の例
- 外部の制作会社や広告代理店へ修正や施策の変更を依頼する際の「社内標準の依頼文章テンプレート」を作成する
- 経営層に向けたWeb集客の成果と課題、次月の行動方針を報告するための「月次Webレポート」の正式版を作成する
- 研修終了後の次の3ヶ月間で優先して取り組むべき自社サイトの具体的な改善計画表をスケジュールに落とし込む
- パスワードの保管場所や、お知らせ更新のルールなどを記載した「社内共有用のWeb運用ルールブック」を作成する
Web担当者研修に入れたい実践課題

Web担当者研修は座学で知識を聞くだけでは現場で使えるスキルとして定着しません。必ず、自社のWebサイトや実際のビジネスモデルを題材にした「実践課題(アウトプット)」をカリキュラムの合間に組み込むように設計してください。
自分で手を動かし、数字を調べ、文章を作ってみることで、研修終了後すぐに日々の実務へ移行しやすくなります。
実践課題の例
研修の各フェーズにおいて、受講生に課すべき具体的な実践課題とその目的を一覧にまとめました。
| 課すべき実践課題 | 課題に取り組ませる本質的な目的 |
|---|---|
| 自社サイトのサイトマップを作る | 自社のWebサイトにどのようなページが存在し、どこに導線が繋がっているか(全体構造)を正しく理解するため。 |
| 競合サイトを3社分析する | 同業他社のWebサイトを観察し、どのようなキャッチコピーや問い合わせ導線(CTA)を使っているかを客観的に学ぶため。 |
| 自社に必要なキーワードを20個出す | 自社の見込み客がGoogle等の検索窓に打ち込みそうな悩みの言葉(キーワード)を洗い出し、SEOの入り口を理解するため。 |
| SEO記事の構成案を1本作る | 読者の検索意図を満たすための「見出し(H2やH3)」の並び順を設計し、論理的な記事の骨組みを作る体験をするため。 |
| Search Consoleで流入キーワードを確認する | 自社サイトが現在、実際にどのようなキーワードで検索結果に表示され、クリックされているかの現実のデータを把握するため。 |
| Googleアナリティクスで月次レポートを作る | ツールからセッション数やCV数を抽出し、前月比の推移をエクセルやスプレッドシートに記録して数字を見る習慣をつけるため。 |
| 問い合わせ導線を確認する | スマホとPCの双方から自社サイトを実際に操作し、ボタンの位置や文言が分かりにくくなっていないか、顧客目線で検証するため。 |
| 外注先への正確な依頼文を作る | ページの文字修正などを外部の制作会社へ依頼する想定で、目的や納期、対象URLを明記した誤解のない指示書を作成するため。 |
| AIを使ってFAQ案を作る | 生成AI(ChatGPT等)に自社のサービス特徴を読み込ませ、サイトに掲載するための「よくある質問と回答」のテキスト案を出力させて活用するため。 |
| 自社サイト改善提案書を作成する | 研修で学んだ内容のすべてを総動員し、現在の自社サイトの課題とそれを解決するための具体的な施策を、社内向けにまとめるため。 |
最終課題は「自社サイト改善提案」にする
3ヶ月、あるいは6ヶ月の研修カリキュラムの締めくくり(最終課題)としては、必ず受講生自身の手で「自社サイト改善提案書」を作成させ、経営者や上司の前でプレゼンテーション(発表)を行う機会を設けるようにしてください。
知識を詰め込むだけの試験とは異なり、「自社の課題を自ら見つけ、それを解決するための施策を組み立てる」という、Web担当者として最も重要な実務の疑似体験ができるからです。
改善提案書の構成例
- 現状(Fact):現在のアクセス数、問い合わせ数、直近の更新状況などの正確なデータ
- 課題(Problem):データや他社比較から見えてきた自社サイトのボトルネック(例:フォームでの離脱が多い、特定のサービスページのアクセスが少ないなど)
- 改善案(Solution):課題を解決するために具体的にどのような施策(テキストの書き換え、ボタン配置の変更、新規記事の投稿など)を行うべきか
- 期待効果(Benefit):その施策を実行することで問い合わせ数や業務工数がどれくらい改善される見込みがあるか
- 実施スケジュール(Plan):限られたリソースの中で1ヶ月以内、3ヶ月以内、半年以内に分けて、どの順番で取り組むべきかという優先順位
Web担当者が内製すべき業務・外注すべき業務

中小企業においてWeb担当者を育成する際、経営層が陥りがちな誤解が「担当者が育ったら、これまでに外部へ支払っていたWeb関係の外注費をすべてゼロにして、すべて社内で自作(内製化)させよう」と考えてしまうことです。
兼任や未経験からスタートした担当者に、デザイン、コーディング、システム保守、高度な広告運用のすべてを1人でこなさせるのは物理的に不可能です。すべてを内製化しようとすれば品質が著しく落ち、担当者がストレスで潰れてしまう原因になります。
社内で内製すべき「スピードや顧客理解が重要な業務」と、外部のプロに任せるべき「高度な専門技術が必要な業務」を明確に切り分け、担当者をつをその全体のコントロール役として機能させることが重要です。
内製しやすい業務
自社の強みや顧客の性質を一番よく知っているのは社内の人間です。そのため、以下のような「日常の細かな情報発信」や「基本的な数値のチェック」は、社内で内製化を進めることでスピード感とオリジナリティを出すことができます。
| 内製すべき主な業務 | 社内で(内製で)対応したほうがよい明確な理由 |
|---|---|
| お知らせ・新着情報の更新 | 夏季休業の案内や新サービスの開始など、数分のCMS操作を覚えれば、外注費をかけずにその日のうちに社内で即座に対応できるため。 |
| ブログ・コラム記事の企画 | 自社の顧客が普段どのような悩みを抱えて相談に来るのか、最前線の営業現場の声を最もよく知っているのは社内の人間だからです。 |
| 導入事例ページの原稿整理 | 実際に自社の商品・サービスを利用して満足してくれた既存顧客へのインタビューや写真撮影などは、社内の関係性のほうがスムーズに進むため。 |
| SNS・MEOの日常運用 | オフィスの日常の様子や、営業時間・臨時休業の急な変更、最新の店舗写真の投稿などは、外部に頼むよりも社内で撮影して即座に発信するのが自然だからです。 |
| Search Consoleの定期確認 | 専門的な分析まではできなくても、「今、自社サイトがどんなキーワードで検索されているか」という基本データは、社内で毎月確認しておくべきだからです。 |
| 月次レポートの下書き作成 | あらかじめ社内で定型フォーマット(テンプレート)を用意しておけば、各種解析ツールから数字を抜き出して転記する作業は社内で十分に内製化できます。 |
外注した方がよい業務
一方で、以下のような「高度な専門スキルや最新の技術、あるいは膨大な作業時間を要する業務」に関しては、無理に社内で対応しようとせず、予算を確保して外部の専門会社へ外注するほうが、結果としてコストパフォーマンスが高くなります。
| 外注すべき主な業務 | 外部の専門家に任せるべき(外注すべき)明確な理由 |
|---|---|
| サイト全体の全面リニューアル | ユーザーが迷わないための全体設計(UI/UXデザイン)、正しいHTML/CSSの記述、スマホ最適化など、非常に高度な専門スキルが複合的に要求されるため。 |
| ブランドに関わるデザイン制作 | 会社のロゴ、重要なランディングページ(LP)のメイン画像など、自社のブランドイメージを左右するクリエイティブは、プロのデザイナーに任せるのが安全です。 |
| システムの独自開発・セキュリティ | 独自の会員システム構築や顧客管理のデータベース連携など、一歩間違えると重大な情報漏洩やバグ、システム障害に繋がるリスクがあるため。 |
| 高度なWeb広告の運用 | GoogleやYahoo!、Metaなどの広告運用は、毎日のようにアルゴリズムや入札単価が変動するため、専門の運用ノウハウや分析経験が無いと予算をドブに捨てることになるため。 |
| テクニカルSEO対策 | サイトの表示速度の改善や、検索エンジンのロボットが巡回しやすいようにサイト内部のソースコードを修正する作業は、深い技術知識が必要だからです。 |
| サーバーの移行・保守管理 | ドメインの移管作業や、サーバーの切り替え、万が一のサイバー攻撃に対する保守対応などは、社内のノンプロが触るとサイトが完全に消失する恐れがあります。 |
| 大量のコンテンツ制作 | 月に何十本もの高品質なSEO記事を安定して執筆し続けるような場合は、社内のリソースを圧迫するため、外部のライティング会社や編集体制を活用すべきです。 |
Web担当者は「外注先を上手に使える人」を目指す
このように業務を切り分けたとき、社内のWeb担当者が目指すべき究極の姿は、すべてを自分で作れるクリエイターではなく、「外部の専門家を正しくコントロールし、自社の利益を最大化できる優秀なディレクター」です。
外注先に業務を丸投げしてしまうと、社内にノウハウが全く残らず、相手の言い値やレポートを鵜呑みにするしかなくなります。逆に、専門領域まで無理に内製化しようとすれば品質が著しく落ち、本来行うべき経営課題の整理がおろそかになります。
外注先に「自社の今回の目的は〇〇です。ターゲットは〇〇なので、それに合わせた提案をしてください」と正しく依頼ができ、上がってきた成果物やレポートの数字を厳しくチェックできる目を養わせるようにしてください。
Web担当者研修後の運用体制

Web担当者向けの社内研修が無事に終了したからといって、そこで終わりではありません。むしろ研修直後こそ、学んだ知識を実務に定着させ、会社の成果に繋げるための「受け皿(運用体制)」を社内に整える重要な時期となります。
新任の担当者が孤立せず、学んだ実務スキルを継続して発揮できるようにするための、研修後の組織体制の作り方を解説します。
Web担当者を1人に依存させない
中小企業のWeb運用で最も避けなければならないリスクが、「Webに関わるすべての実務や管理を、研修を受けた担当者1人だけに完全に依存させてしまうこと」です。
いわゆる業務のブラックボックス化(属人化)が起きると、その担当者が急な病気で休んだり、退職・異動してしまったりした瞬間に、会社のホームページの更新が完全に止まり、各種ツールのログインパスワードすら誰も分からないという致命的な事態に陥ります。
これを防ぐため、研修の段階から、メイン担当者だけでなく最低でももう1人、情報の共有や簡単な更新作業のバックアップができる「サブ担当者」を指定しておくようにしましょう。
また、日々の更新手順、各種ツールのIDやログインパスワードの一覧、外注先の担当者の連絡先、過去のレポート資料などは、必ず社内の共有サーバーやクラウド上の「誰でも見られる場所」に一元管理し、簡易的な業務引き継ぎマニュアルとして整備しておくことが組織のリスク管理として不可欠です。
月1回のWeb改善ミーティングを行う
Web担当者が孤独に作業を続ける状態を防ぎ、Webサイトを営業ツールとして会社全体で機能させるために、月に1回、定期的な「Web改善ミーティング(定例会)」を社内で必ず開催してください。
このミーティングには、Web担当者だけでなく、現場の状況を知る営業責任者や経営層、そして必要に応じて外部の制作会社や広告代理店の担当者にも参加してもらいましょう。
月次でアクセス数や問い合わせ件数(CV数)、成約率の数字を確認するだけでなく、「今月届いた問い合わせのうち、本当に質の良かった案件はどれか」「逆に、どのような不要な問い合わせが多く、営業の負担になったか」といった、営業現場のリアルな声をWeb側へフィードバックする場として活用することが大切です。
ミーティングの基本アジェンダ例
- 先月の数値確認:セッション数、CV数、CVR、商談化率の目標値と実績値の突き合わせ
- 問い合わせ内容の精査:質の高いリードの特徴、売り込み等の無駄な問い合わせの発生状況
- 実施した施策の振り返り:新規記事の公開、広告の修正、LPの改修、SNS投稿などの成果検証
- 現場で見えた課題の整理:数字の落ち込み(流入不足やCVR低下など)の原因についての仮説立て
- 次月の具体的な改善施策:リソースを踏まえ、翌月に優先して取り組む修正箇所と担当者の決定
月次レポートを定型化する
Web担当者に対して、毎月ゼロから美しい報告レポートを作らせる必要はありません。
報告の準備だけに時間を取られて実務が疎かになっては本末転倒ですので、あらかじめ報告に必要な最低限の項目だけをまとめた「定型フォーマット(テンプレート)」を用意して、転記するだけの運用にしてください。
経営層や上司に提出するレポートには細かすぎる専門的なアクセスデータを並べるのではなく、「今月はいくら費用を使い、どれくらいの成果(問い合わせや商談)に繋がり、次月はどこを修正するのか」というビジネス上の結論を、A4用紙1〜2枚程度にシンプルにまとめて報告させるようにしましょう。
月次レポートに盛り込むべき基本項目
- 全体のセッション数(アクセス数)
- 最終的なコンバージョン(CV)数
- サイト全体のコンバージョン率(CVR)
- 主要な流入元(検索からなのか、広告からなのか)の割合/検索順位が上がってきた主要なキーワード
- 届いた問い合わせの具体的な内容と件数営業側での商談化率・受注数/今月実行した具体的な施策の内容
- 数字を踏まえた次月の具体的な改善提案
Web担当者研修の効果測定

研修は講義を受講して知識をインプットすれば終わりではありません。特に未経験や兼任の担当者を育てる場合、「実務において何ができるようになったか(業務の自立度)」をベースに効果を測定することが重要です。
一般的なペーパーテストのような知識の有無を問うのではなく、社内サイトの更新作業、月次レポートの作成、数字に基づいた改善提案、外注先への正確な指示出しといった、実際の業務フローが回っているかを確認しましょう。
研修効果を見る指標
担当者の成長度合いや研修の投資対効果を客観的に評価するために、以下の指標を用いて定期的に実務の遂行レベルをチェックします。
| 評価指標 | 具体的に確認する内容 |
|---|---|
| 更新対応数 | 外注会社に頼むことなく、自社内で迅速に更新・修正できたページ数や記事の件数。 |
| 更新ミス件数 | 公開されたページにおける誤字脱字、リンク切れ、表示崩れなどの手戻りトラブルの発生件数。 |
| レポート作成回数 | 月末のアクセス解析データを抽出し、定型の月次レポートを遅延なく継続して作成できているか。 |
| 改善提案件数 | レポートの数字を踏まえ、自社サイトの導線や訴求に関する具体的な改善案を自ら出せているか。 |
| 外注依頼の精度 | 制作会社やライターへ対して、目的や要件を明記した誤解のない指示書(依頼文)を作れているか。 |
| Web経由CV数 | 担当者が企画した記事や改修施策によって、中長期的にお問い合わせや資料請求数が増えているか。 |
| 商談化率 | 営業部門と連携し、Webから集まった問い合わせがどれくらい実際の商談に繋がっているかを確認できているか。 |
3ヶ月後・6ヶ月後の到達イメージ
未経験からスタートした兼任担当者が、時間の経過とともにどのようなステップで成長していくべきか、社内における標準的な到達イメージ(ロードマップ)をあらかじめ共有しておきましょう。本人の現在の立ち位置を確認する基準として活用してください。
育成の時期と実務における具体的な到達イメージ
- 3ヶ月後の状態:自社サイトの構造を理解し、CMSを使った日常的な更新作業をミスなくこなせる。アクセス解析ツールから基本の数字を抜き出して管理表へ転記でき、外注先へ送る依頼文の下書きを自力で作成できるレベル
- 6ヶ月後の状態:経営層向けの分かりやすい月次レポートを1人で作成でき、自社に必要なSEO記事の企画・構成案が作れる。数字の落ち込みから課題を見つけて具体的な改善提案を行い、外注会社との細かな修正ディレクションまでを主導できるレベル
- 1年後の状態:Web集客施策(SEO、広告、SNS、MEOなど)全体の優先順位を自ら考え、自社の売上を最大化するための予算配分や新しい施策の企画を、根拠となる数字とともに社内へ提案・実行できるレベル
Web担当者育成でよくある失敗

中小企業が社内でWeb担当者を育成しようとする際、良かれと思って進めた研修が裏目に出てしまい、挫折してしまうケースが少なくありません。
実務の現場で特に起こりやすい5つの失敗パターンを整理しました。あらかじめこれらのリスクを把握し、対策を講じておきましょう。
HTMLやデザインから教えすぎる
「Webの担当者にするなら、まずはホームページの仕組みや作り方から学ばせるべきだ」と考えて、HTML・CSSのコーディングや、Photoshopなどを使ったデザイン制作から研修を始めてしまうパターンです。
基礎知識として知っておく分には損はありませんが、制作スキルに偏った学習をしてしまうと、中小企業のWeb運用で最も重要な「マーケティング(集客・成果改善)」の習得が後回しになってしまいます。
研修内容が広すぎて定着しない
Webマーケティングに必要な知識は、SEO、Web広告、SNS、デザイン、アクセス解析、セキュリティなど多岐にわたります。これらを短期間の研修で一気にすべて教え込もうとすると、未経験の担当者は情報を消化しきれず、結局どれも実務で使えないまま終わってしまいます。
研修後に実務で使う機会がない
外部の研修講座を受講させたり、本を読ませたりして知識をインプットしたものの、現場の通常業務が忙しく、実務でWebサイトを触る時間を全く与えないケースです。
Webの技術やルールは変化が早いため、学んだ内容をすぐに実践しなければ、数週間でほぼすべての知識を忘れてしまいます。
外注先に丸投げしたままになる
せっかく社内でWeb担当者を育成したにもかかわらず、これまでの慣習のまま、外部の制作会社や広告代理店へすべての運用を丸投げし続けてしまうパターンです。
これでは担当者がただの「外注先からのメールの転送係」になってしまい、社内にノウハウが蓄積されません。
Web担当者が1人で抱え込む
真面目な担当者ほど、Webサイトの更新、データの分析、ブログ記事の企画、外注先との連絡、社内向けの報告資料作成などを、すべて自分1人の力だけで抱え込んでしまいがちです。
特に兼任担当者の場合、本業とのバランスが取れなくなり、精神的・物理的にパンクしてしまいます。
よくある質問

Web担当者を育成したい企業さまからよくいただく質問をまとめました。
気になる項目があれば、ぜひ参考にしてください。
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未経験者でもWeb担当者になれますか?
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はい、特別な知識がない未経験の社員であっても、正しいステップで学べば十分に実務レベルのWeb担当者へと成長できます。
ただし、最初からSEO対策、広告運用、高度なアクセス解析、デザイン修正のすべてを一度に任せるのは不可能です。
まずは自社サイトの全体構造を理解することから始め、「守りの運用」から段階的にスタートさせてください。最初の3ヶ月で基本運用を身につけ、6ヶ月かけて集客の改善提案ができる状態を目指すのが、社内育成において最も現実的なロードマップとなります。
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Web担当者にHTMLやCSSは必要ですか?
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基礎知識として「どのような仕組みでページが動いているか」を知っておく程度であれば役立ちますが、専門的にコーディングができるレベルまで習得する必要はありません。
リソースの限られた中小企業のWeb担当者にとっては、自分でコードを記述するスキルよりも、CMSを使ったページ更新、見込み客を呼び込むためのSEO基礎、数字のボトルネックを見つけるアクセス解析、外注管理スキルのほうが遥かに優先度が高くなります。
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Web担当者研修は何ヶ月必要ですか?
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社内で任せたい具体的な業務範囲や、担当者が専任か兼任かによって異なりますが、一般的な目安としては3ヶ月〜6ヶ月程度が必要となります。
自社サイトの日常的なお知らせ更新や、決まったフォーマットへの数値転記といった基本運用だけであれば、最初の3ヶ月間で十分に習得可能です。
さらに一歩進んで、高度なディレクション(外注管理)までを主導させたい場合は、実務課題とセットにした6ヶ月程度の育成期間を見込んでおくと、現場の運用がスムーズに定着しやすくなります。
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Web担当者は内製と外注のどちらがよいですか?
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すべての業務を社内で内製化しようとするのではなく、自社で絶対に管理すべき業務と、外部のプロに任せるべき業務を賢く組み合わせる(ハイブリッド運用)のがベストな選択肢です。
スピードと顧客理解が要求される更新作業などは内製化に向いていますが、サイトの全面リニューアルや高度な広告運用などの専門性とリスクが伴う領域は外部の専門会社へ外注したほうが効率的です。
Web担当者は「すべてを自分で作る人」ではなく、「外注先を正しく動かせる人」を目指すようにしてください。
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Web担当者研修にAI活用は入れるべきですか?
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はい、2026年現在の実務においては、生成AI(ChatGPTやGeminiなど)の活用スキルを研修カリキュラムへ初期段階から組み込んでおくことを強くおすすめします。
AIを上手に使いこなすことができれば、未経験や兼任の担当者であっても、実務を何倍ものスピードで効率的にこなせるようになります。ただし、機密情報や個人情報は入力しないといった社内のAI利用規程もセットで教育することが大切です。
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Web担当者研修の効果はどう測ればよいですか?
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一般的な知識テストの点数で測るのではなく、研修後に「実務において何ができるようになったか(業務の自立度)」をベースに効果を測定するようにしてください。
具体的には、自社で更新できるようになったページ数、月次レポートが期日通りに作成できているか、外注先への指示内容が明確になっているか、といった実務課題の達成度を評価基準にします。
まとめ|Web担当者は「更新できる人」ではなく「成果を改善できる人」に育てる
中小企業のWeb担当者に求められるのは、単にホームページを更新する作業だけではありません。自社サイトの状況を把握し、アクセス解析などの数字を見ながら、成果につながる改善を進める役割が求められます。
未経験・兼任の社員を育成する場合は、いきなり高度な制作スキルを教えるのではなく、Webサイト運用、SEO、アクセス解析、外注先への依頼方法など、実務に必要な知識から段階的に学ばせることが大切です。
研修では自社サイトを題材にした実践課題を取り入れ、学んだ内容をすぐに業務へ活かせる形にしましょう。また、月次レポートや改善ミーティング、運用マニュアルを整備することで、担当者任せにせず、社内にWeb運用の知見を蓄積できます。
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