機械学習の精度が高まり、あらゆる媒体での広告配信が効率化されています。
運用者は自動化により設定時間が大幅にカットされたうえに成果を出しやすくなっています。
しかし思考停止をしたまま自動入札に頼っていると、むしろ結果が全く出ない可能性の方が高いのです。
今回は広告運用における機械学習の罠について解説していきます。
広告配信における機械学習の仕組み
リスティングなどの広告における機械学習は、広告アカウントに蓄積されたクリックやコンバージョンのデータを分析してパターンを覚えていきます。
例えばコンバージョンを多く獲得したい広告主がいたとします。この場合、入札戦略は『コンバージョンの最大化』で設定するはずです。
その後、コンバージョンが溜まってくるとGoogle広告が「コンバージョンした30人のうちのほとんどが30代の男性だ。これからは30代男性をメインに広告を出そう」のように学習をし、配信を最適化させます。
自動入札では母数の蓄積が大切
自動入札、つまり機械学習を用いた入札戦略では母数の蓄積が重要です。
クリックやコンバージョンなどの指標が十分に蓄積されて機械学習は動き始めます。
広告配信の自動化ないし最適化はまっさらな状態から始めても意味がありません。
当たり前ですが、学習するデータがなければ学習しようがないからです。
そのため、序盤からある程度予算を投下することで学習期間を短縮し、効率的な配信ができるようになります。
始めから自動入札は意味がない
要するに言いたいのは「広告配信の最初から自動入札を選んでいませんか?」ということです。
繰り返しますが、機械学習はデータの蓄積ありきで効率化されるため、データが溜まっていない状態で始めても最適化されません。
例えば入札戦略の1つである「クリック数の最大化」はクリックしやすそうなユーザーに広告を配信し、なおかつクリック単価を最小限に抑える自動入札です。
しかし広告配信を始めたばかりの頃は、広告をクリックしたユーザーがいません。つまりデータが溜まっていません。
これだと自動入札をしても効率化されるわけがありませんよね。
「自動入札」と聞くと人工知能に任せていれば間違いなく結果を出してくれるイメージがあります。
ですが必要な条件が揃ってはじめて最適化「されるかもしれない」のです。
必ずしも自動入札は万能ではありません。
コンバージョン系の入札戦略で上手く行った例は少ない
コンバージョン関連の入札戦略は下記がメジャーだと思います。
- コンバージョンの最大化
- 目標コンバージョン単価
ですが、私の感覚だと上手くいった例があまりありません…
上記は、相当な予算をかけていて、なおかつコンバージョンが量産されているような場合のみ適用すべき戦略だと思います。
Google広告管理画面の最適案を見ていると、しばしば「コンバージョンの最大化」に切り替えるよう勧めてきます。
コンバージョンがあまり発生していないのにも関わらず(CVが0のアカウントでさえも)「このアカウントにはコンバージョンのデータが十分にあります。入札戦略を切り替えましょう」と案内されるケースがほぼ100%。
テスト的に変更しましたが、案の定、結果には繋がりませんでした。
機械学習はデータありきで動きますし、Google広告の推奨項目も鵜呑みにすると痛い目に遭いますので、お気をつけください。
そのため序盤から「コンバージョンの最大化」などの自動入札を使うのはナンセンス。
甘い響きに惑わされることなく、しっかりと運用をしていきましょう。
やはり結果を出すには人の力が必要です!