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AI担当者は誰がやる?中小企業のAI推進担当者に向いている人・部署・決め方
AI活用 組織・人材生成AIを社内で活用する際、最初に迷うことが「誰をAI担当者にするか」です。情報システム担当者へ任せるべきか、若手社員を抜擢するべきか、それとも経営者自身が動くべきか、明確な正解が見つからない企業も多いでしょう。
社内で最もAIに詳しい人を選べば、必ず活用が進むわけではありません。生成AIの操作に慣れていても、自社の業務や現場の困りごとを理解していなければ、使い道を見つけられないからです。反対に、AIを使い始めたばかりでも、業務をよく知り、周囲と相談しながら試せる社員なら推進担当者として育つ余地があります。
中小企業のAI担当者に向いているのはAIの専門家ではなく、自社業務と社員をつなげられる人です。現場から相談を受け、生成AIを試せそうな業務を見つけ、結果を周囲へ共有する役割を担います。
ただし、適任者を一人選ぶだけでは足りません。通常業務に加えてAI関連の仕事をすべて任せれば、活動する時間がなくなります。経営判断やセキュリティ上の責任まで集中させると、社内のAI活用も止まります。
この記事では中小企業のAI担当者に向いている人の特徴を整理したうえで、情報システム、総務・人事、業務改善、現場管理職、若手社員など、部署・役職別の向き不向きを解説します。専任と兼任の判断基準や、社内の候補者から担当者を選ぶ手順も確認していきましょう。
この記事でわかること
- 中小企業のAI担当者に向いている人の特徴
- 部署・役職別のAI担当者への向き不向き
- AIやITに詳しい人を選ぶだけでは不十分な理由
- AI担当者を専任・兼任にする判断基準
- 社内の候補者から担当者を選ぶ手順
- 任命した担当者を孤立させない体制の作り方
結論|AI担当者はAIに詳しい人より「業務と人を理解する人」が向いている

AI担当者を決める際、候補に挙がりやすいのは情報システム担当者や生成AIを自主的に使っている社員です。しかし、操作方法を知っているだけでは現場の課題を見つけ、他部署へ活用を広げる役割までは担えません。
中小企業のAI担当者にはAIの専門知識よりも、自社業務への理解と社内での動きやすさが求められます。現場の相談を受け、小さな実践を進め、必要な判断を経営層や専門部署へつなげられる人が適任です。
AIの操作方法は後から学べる
ChatGPTやClaude、Geminiなどの基本操作は研修や日常的な実践を通じて身につけられます。質問の仕方や指示文の作り方も、実際の業務で試しながら改善できる知識です。
一方、自社の業務フローや顧客対応、部署ごとの判断基準は短期間では理解できません。書類上は同じ「報告書作成」でも、会社によって必要な項目、承認の流れ、確認する数字は異なります。
自社業務を理解していなければ活用先を見つけられない
生成AIを導入しても、何に使うのかが決まっていなければ、業務改善にはつながりません。必要なのは毎週繰り返している作業、入力や転記に時間がかかる業務、同じ内容を何度も説明している場面を見つけることです。
現場の仕事を知っている社員なら「この報告書は毎回構成から考えている」「この問い合わせは似た内容が多い」といった負担に気づけます。生成AIを使う候補が具体的になり、目的のないツール比較を避けられます。
AI担当者は専門家ではなく社内をつなぐ役割
AI担当者は生成AIに関するすべての質問へ一人で答える専門家ではありません。現場の困りごとを集め、試せる業務を整理し、うまくいった方法を社内へ共有する役割です。
個人情報や契約に関する問題があれば、法務や管理部門へ相談すべきですし、システムの設定やアクセス権限については情報システム担当者や外部ベンダーへ確認する必要があるでしょう。業務上の最終判断は各部署の責任者が担うことが大切です。
一人を選ぶことと一人へ任せ切ることは違う
社員数が限られる中小企業ではAIに関する相談窓口を一人にまとめる方法が現実的です。質問先が明確になれば、社員の疑問や便利な活用方法が社内へ集まります。
一方で、AIに関する予算、利用方針、情報セキュリティ、成果物の最終確認まで、一人の担当者へ集めてはいけません。権限がないまま責任だけを負わせると、担当者の判断と確認作業が止まります。
AI担当者に向いている人を見極める5つの判断基準

候補者を選ぶときは年齢、役職、所属部署だけで判断しないことが大切です。実際にAI活用を続けられるかどうかを、業務理解、行動の特徴、周囲との関係、報告力、活動条件から確認します。
5つの条件をすべて備えた社員を探す必要はありません。AIの知識は研修で補い、活動時間や相談先は会社側で整えられます。本人の強みと社内体制を組み合わせて判断しましょう。
自社業務と現場の困りごとを理解している
最初に確認したいのは自社の業務をどこまで理解しているかです。担当業務だけでなく、前後の工程や関係部署とのやり取りまで把握している人は生成AIを試す場所を見つけやすくなります。
候補者を比較するときは次のような点を確認しましょう。
- 各業務がどのような流れで進むか説明できる
- 時間がかかっている作業を把握している
- 現場特有のルールや判断基準を理解している
- 各部署から相談を受ける機会がある
- 作業のミスや手戻りが起こる理由を知っている
生成AIの機能を知っていても、現場の負担が分からなければ、実務で役立つ使い方を提案できません。AI担当者の人選ではツールの知識よりも業務理解を先に見ましょう。
新しい方法を小さく試せる
生成AIの出力は最初から期待通りになるとは限りません。指示の内容を変えたり、参考資料を追加したりしながら、業務で使える形へ近づけていくものです。
そのため、すべてを理解してから動こうとする人より、確認できる範囲で試せる人が向いています。失敗したときも「AIは使えない」と結論づけず、どの指示や情報が足りなかったのかを考えられることが判断材料になります。
部署を越えて相談や共有ができる
AI担当者本人だけが生成AIを便利に使えても、会社全体の改善にはつながりません。営業、総務、経理、製造、顧客対応など、異なる業務の困りごとを聞き取り、試した方法を共有する必要があります。
候補者が普段から他部署と話す機会を持っているか、質問されたときに難しい言葉を避けて説明できるかも確認しましょう。社内で相談しやすい人には社員のつまずきや活用例が集まり、改善へつなげられます。
役職の高さよりも、周囲が気軽に話しかけられる雰囲気の方が重要なことも多々あります。
経営層へ進捗と課題を報告できる
生成AIの活用を続けるには取り組んだ内容と結果を経営層へ伝えなければなりません。「便利になった」という感想だけでは予算や活動時間を増やす判断ができません。
高度な資料作成能力までは必要ありません。何を試したのか、作業時間はどう変わったのか、どのような問題が起きたのか、次に何が必要なのかを順序立てて説明できれば十分です。
また、成果だけでなく、判断に迷っている点を早めに報告できる人が向いています。問題を一人で抱え込まず、経営層や上司から判断を得ることで、AI活用が止まるのを防げるからです。
本人に意欲があり活動時間を確保できる
候補者の能力が高くても、本人が取り組みたいと思っていなければ、情報収集や試行錯誤は続きません。経営者や上司が一方的に指名すると、AI推進が追加業務として受け取られ、優先順位も下がります。
任命前に、AIを使った業務改善へ関心があるか、社員へ使い方を共有する役割に抵抗がないかを確認しましょう。同時に、会社側が活動時間を与えられるかも判断します。
部署・役職別|AI担当者に向いている人と注意点

AI担当者に適した部署は会社の規模や現在の活用状況によって変わります。情報システム担当者が適任の企業もあれば、総務、人事、業務改善担当、現場の管理職が動いたほうが成果につながる企業もあります。
各候補の強み・注意点・自社との相性を確認し、目的に合う人を選びましょう。
| 候補者 | 主な強み | 注意点 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 情報システム担当者 | ツールやセキュリティを理解しやすい | 現場業務との距離が遠いことがある | 情シスが現場と日常的に関わる企業 |
| 総務・人事担当者 | 部署を越えて相談を受けやすい | 技術判断を一人で抱えさせない | 管理部門が社内調整を担う企業 |
| 業務改善・経営企画担当者 | 業務分析と経営報告が得意 | 現場との距離に注意する | 部門横断の改善活動がある企業 |
| 現場管理職・中堅社員 | 現場の課題と業務を理解している | 通常業務が多くなりやすい | 特定部門から試したい企業 |
| 若手社員 | 新しいツールを試しやすい | 判断権限や社内調整力が不足しやすい | 上司が継続して支援できる企業 |
| 経営者・役員 | 意思決定が早い | 実務や相談対応を継続しにくい | 小規模企業や導入初期の企業 |
| 外部のAI専門家 | 専門知識や他社事例を補える | 社内業務の理解には限界がある | 社内担当者を育てながら導入したい企業 |
情報システム担当者
情報システム担当者はAIツールの契約、アカウント管理、アクセス権限、セキュリティを確認しやすい立場です。すでに社内システムの相談窓口を担っている場合は社員からの質問も集めやすいでしょう。
現場との連携がなければ、AI活用がツール管理だけで終わります。利用できるサービスを決めても、現場でどの業務に使うかが分からなければ、社員の活用は広がりません。
総務・人事担当者
総務や人事は部署を越えて社員と関わる機会が多く、社内の困りごとや質問を集めやすい部署です。研修、社内周知、マニュアル整備を担当している企業では生成AIの使い方を共有する役割とも相性が良いです。
社員が相談しやすい窓口を作り、全社へ少しずつ活用を広げたい企業では有力な候補です。
業務改善・経営企画担当者
業務改善や経営企画の担当者は複数部署の業務を整理し、経営層へ改善案を報告する仕事に慣れています。生成AIを使う目的や対象業務を整理しやすく、全社的な活用計画を考える役割に向いています。
削減時間や業務上の変化をまとめ、次の施策や予算について経営層と話せることも強みです。
資料や計画を作るだけでは現場のAI活用は進みません。実際の作業を担当する社員と一緒に生成AIを試し、使いにくかった点や確認が必要な箇所を聞ける関係が必要です。
現場の管理職や中堅社員
現場の管理職や中堅社員は日常業務の流れと、社員が負担に感じている作業を把握しています。特定の部署から始める場合、実務に直結した活用方法を見つけられます。
たとえば、営業部門であれば商談記録、提案書、メールの下書きなど、時間がかかっている業務を具体的に選べます。管理部門から一方的に使い方を示すより、現場の社員にも受け入れられやすいでしょう。
若手社員や自主的にAIを使っている社員
若手社員や、すでに生成AIを自主的に使っている社員は新しいツールを試すことへの抵抗が少なく、操作方法を早く覚えられる傾向があります。社内向けの使い方を分かりやすくまとめたり、短い勉強会を開いたりする役割にも向いている場合があります。
ただし、「若いからAIに詳しいはず」という理由だけで選ぶのは避けましょう。自社業務を理解しているか、他部署へ説明できるか、失敗した結果も共有できるかを確認します。
若手社員一人に他部署との調整や経営判断まで任せる体制は現実的ではありません。上司や管理職が報告を受け、必要な権限や協力を確保できる体制と組み合わせることが重要です。
経営者や役員
社員数が少ない企業では経営者や役員自身がAI活用の起点になるのも選択肢の一つです。利用目的や予算をその場で決められるため、最初の実験を早く始められます。
経営者が自ら生成AIを使い、業務で役立った例を社員へ示せば、会社として取り組む姿勢も伝わります。
外部のAI専門家
社内に生成AIの知識を持つ社員がいない場合は外部の専門家から研修や導入支援を受ける方法があります。利用するツールの選定、社内ルールの整理、業務への落とし込み方など、初期段階で迷いやすい部分を補えます。
ただし、外部の専門家だけでは自社の細かな業務手順や社員同士の関係まで把握できません。社内担当者がいなければ、相談や改善を外部へ依存し続けます。
AI担当者に選ばないほうが良い3つのパターン

仕事ができる社員や生成AIに詳しい社員が、必ずしもAI担当者に向いているとは限りません。知識があっても、業務理解・意欲・活動時間が不足すれば、推進活動は途中で止まります。
ここでは人材そのものを否定するのではなく、現在の条件ではAI担当者として動きにくい3つのパターンを確認します。
AIに詳しいだけで自社業務を知らない人
自社業務を知らなければ、AIに詳しくても実務で役立つ使い方を見つけられません。一般的な活用例は紹介できても、自社のどの工程を変えるべきかまでは判断できないからです。
外部から採用した人材や、入社して間もない社員が該当する場合はすぐに候補から外す必要はありません。現場の業務を学ぶ期間を設け、各部署の担当者と一緒に実験できる体制を整えましょう。
AIの知識を持つ人材と、業務を理解している社員が協力すれば、それぞれの不足を補えます。
本人の意欲を確認せず指名された人
経営者や上司が「AIに詳しそうだから」と一方的に指名すると、本人には追加業務として映ります。通常業務を抱えたまま実験や報告まで求めると、AI推進の優先順位が下がります。
候補者には担当する仕事、活動へ使える時間、報告先、評価方法を事前に伝えます。そのうえで、生成AIを使った業務改善へ取り組みたいか、社員へ活用方法を共有する役割に抵抗がないかを確認しましょう。
通常業務が多く活動時間を取れない人
社内で頼られている社員ほど、すでに多くの仕事を抱えています。業務理解や調整力が高くても、AI推進へ使う時間がなければ、相談対応や実験は後回しになります。
「通常業務の合間に進める」という条件では繁忙期に活動が止まり、そのまま再開されません。任命前に、週や月単位でどの程度の時間を確保できるか確認しておきましょう。
中小企業のAI担当者は専任と兼任のどちらが良い?

中小企業では最初からAI専任の担当者を置けないケースが一般的です。導入初期は兼任でも始められますが、担当者の名前だけを決め、活動時間を与えない状態ではAI推進は続きません。
専任と兼任のどちらが適しているかは社員数だけでなく、AIを使う部署、相談件数、管理するツール、取り組む業務の数から判断します。
導入初期は兼任から始められる
一つの部署や数名から試す段階であれば、兼任担当者でも対応できます。最初から全社の業務を対象にせず、議事録、メールの下書き、資料の要約など、確認しやすい業務へ絞ると負担を抑えられます。
兼任では通常業務を減らす調整が必要
AI担当者には生成AIを試す時間だけでなく、社員からの相談を聞く時間、成功例を整理する時間、結果を報告する時間も必要です。現在の業務へそのまま追加すれば、担当者の負担だけが増えます。
担当者が月に何時間をAI推進へ使うのかを決め、その分だけ既存業務の優先順位や分担を見直しましょう。すべての仕事を減らせない場合は対象業務や相談を受ける部署を限定する方法があります。
専任担当者を検討するタイミング
AI活用の範囲が広がると、兼任では対応できる時間に限界が生まれます。次のような状態が増えてきたら、専任化や担当人数を増やす判断時期です。
- 複数の部署で生成AIの活用が始まっている
- 社員からの相談が継続的に寄せられている
- 複数のAIツールやアカウントを管理している
- 社内研修や利用ルールの更新を定期的に行っている
- AI活用を経営計画や業務改善計画に組み込んでいる
- 外部サービスやシステムとの連携を進めている
必ずしも一人を完全な専任にする必要はありません。業務改善、研修、システム管理を複数人で分担する方法もあります。
一人担当から複数人体制へ広げる
導入初期の相談窓口は一人でも構いませんが、知識や経験を一人だけに残すと、異動や退職によって活動が止まります。
AIの活用が始まった部署には協力者を置き、使い方、失敗例、確認項目を共有しましょう。各部署の協力者が日常的な質問へ対応し、中心となるAI担当者が全体を整理する形なら、負担の集中を防げます。
社内のAI担当者を決める5つのステップ

AI担当者は役職名や所属部署だけでは決まりません。会社が生成AIを何に使いたいのかを整理し、その目的に合う候補者を比較する必要があります。
最初から全社の責任者として任命するのではなく、小規模な実践を通じて適性を見る方法も有効です。
1.AI活用の目的と対象範囲を決める
最初に、生成AIを導入する目的を整理しましょう。業務時間を減らしたいのか、文書作成の品質をそろえたいのか、社内の問い合わせ対応を改善したいのかによって、必要な担当者像は変わります。
特定部署の業務改善から始める場合はその現場を理解している社員が有力です。全社研修やルール整備を優先する企業では部署を越えて社員と関われる総務や人事が候補になります。
目的と対象範囲が曖昧なままでは候補者に何を任せるのかも決まりません。
2.部署や役職を限定せず候補者を挙げる
情報システム担当者だけに絞らず、総務、人事、業務改善担当、現場管理職、中堅社員、若手社員まで候補に入れます。
候補者を一人だけ挙げると、その人を選ぶ前提で条件を評価しがちです。最初は2〜3人を挙げ、業務理解、本人の意欲、社内での相談しやすさ、活動時間を比較しましょう。
必要に応じて、中心担当者と現場協力者を別々に選ぶ方法もあります。
3.本人の意欲と活動時間を確認する
候補者へはAI担当者の役割を具体的に説明しましょう。生成AIを最も詳しく知ることではなく、現場の相談を集め、小さく試し、結果を共有する役割だと伝えることが重要です。
そのうえで、本人が取り組みたいと思っているかを確認してください。同時に、通常業務を調整し、定期的な活動時間を確保できるか、上司や経営層とも話し合いましょう。
4.試行期間を設けて適性を見る
候補者をいきなり全社のAI責任者として任命せず、一つの業務や部署で試行期間を設けるのがおすすめです。
たとえば、1か月程度を区切りとして、議事録の整理や定型メールの下書きなどを試してもらいましょう。確認したいのはAIの操作技術だけではありません。
- 業務上の課題を具体的に整理できたか
- 実際の担当者から話を聞けたか
- AIへ任せる部分と人が確認する部分を分けられたか
- 結果や課題を周囲へ共有できたか
- 分からない問題を適切な相手へ相談できたか
5.報告先・相談先・評価方法を決めて任命する
正式に任命するときは担当者名だけでなく、活動を続けるための条件まで明確にしましょう。
- AI推進へ使える時間
- 定期的な報告先
- 担当者が判断できる範囲
- 法務やセキュリティに関する相談先
- 各部署との連携方法
- 評価対象となる活動
- 担当者が不在のときの相談先
AI担当者を任命した後に孤立させない4つの条件

適任者を選んでも、会社側の支援がなければAI活用は進みません。通常業務へAI関連の仕事を追加し、結果だけを求めると担当者は疲弊します。
人選と同時に、担当者が相談し、判断を仰ぎ、継続して活動できる環境を整えておきましょう。
活動時間を正式な業務として確保する
生成AIの実験や情報収集を空き時間へ回すと、日常業務が忙しくなった時点で止まります。
経営層や上司への報告先を決める
担当者が見つけた課題や、必要な予算について、誰へ報告するのかを明確にします。報告先が決まっていなければ、判断を得られず、他部署へ協力を求める根拠も持てません。
専門判断を相談できる人を決める
AI担当者が、個人情報、契約、情報セキュリティ、社外へ出す成果物まで、一人で判断する必要はありません。
入力して良い情報については情報システムや管理部門、契約上の問題は法務や経営層、業務上の最終確認は各部署の責任者というように、問題ごとの相談先を決めておきましょう。
成果と改善活動を評価対象にする
AI担当者の成果は削減時間だけでは測れません。テンプレートの作成、社員からの相談対応、失敗例の記録、他部署への共有も、社内定着を支える活動です。
売上や削減時間だけを評価すると、短期間で数字が出る業務ばかりが優先されます。試行錯誤の過程や、社員が安全に使うための整備も評価対象に含めましょう。
よくある質問

AI担当者を決める際は情報システム担当者以外でも務まるのか、若手社員へ任せても良いのか、兼任で続けられるのかといった疑問が生まれます。
ここでは中小企業の経営者や管理職から生まれやすい疑問へ回答します。
AI担当者は情報システム担当者でなければいけませんか?
情報システム担当者である必要はありません。自社業務を理解し、現場から相談を受け、必要な相手へ問題をつなげられる人であれば、総務、人事、業務改善担当、現場の管理職も候補になります。
ツールやセキュリティに関する判断は情報システム担当者や外部専門家から支援を受けられます。
若手社員をAI担当者にしても良いですか?
本人に意欲があり、自社業務を理解している若手社員なら候補になります。新しいツールを試すことへの抵抗が少なく、操作方法を早く覚えられる点は強みです。
ただし、他部署との調整や経営判断まで一人へ任せるのは避けましょう。上司や管理職が報告を受け、必要な権限や協力を確保する体制と組み合わせます。
AIに詳しい社員がいない場合はどうすれば良いですか?
最初から生成AIに詳しい社員を探す必要はありません。自社業務を理解し、新しい方法を試せる社員を選び、AIの基礎知識は研修や実践で補えます。
社内だけで育成するのが難しい場合は外部研修や伴走支援を活用し、社内担当者が実際の業務へ落とし込む形が適しています。
兼任でもAI担当者は務まりますか?
導入初期で対象部署や業務が限られていれば、兼任でも始められます。ただし、通常業務へ追加するだけでは活動が止まります。
定期的な活動時間、報告先、取り組む業務の範囲を決め、必要に応じて既存業務を減らしましょう。
AI担当者は一人だけでも良いですか?
導入初期の相談窓口は一人でも構いません。一方、予算、法務、セキュリティ、各業務の最終承認まで一人へ集めてはいけません。
利用が広がってきたら、各部署に協力者を置き、相談対応や成功例の共有を分担します。一人を起点にしながら、複数人で支える体制へ広げていきましょう。
社内に適任者がいない場合は外部へ任せても良いですか?
外部の専門家へ研修、ツール選定、ルール整備、導入支援を依頼する方法はあります。ただし、社内業務の細かな理解や社員との関係構築まで、外部だけで担うのは困難です。
社内から業務を理解している担当者を一人選び、外部専門家が知識や進め方を補う形にすると、支援終了後もAI活用を社内に残せます。
まとめ|AI担当者は部署名より業務理解・意欲・橋渡し力で選ぶ

中小企業のAI担当者は社内で最もAIに詳しい人を選べば良いわけではありません。生成AIの操作方法は後から学べますが、自社業務への理解や社員との関係は短期間で身につかないからです。
人選では自社業務と現場の困りごとを理解しているか、新しい方法を小さく試せるか、部署を越えて相談や共有ができるかを確認します。経営層へ進捗を伝えられることと、本人に取り組む意欲があることも欠かせません。
情報システム、総務・人事、業務改善担当、現場管理職、若手社員のいずれも候補になります。どの部署に所属しているかより、会社が最初に何を改善したいのか、その目的に合う立場かどうかで判断しましょう。
また、一人を担当者に選ぶことと、AIに関する仕事や責任を一人へ任せ切ることは異なります。経営判断、法務、情報セキュリティ、業務上の最終承認まで一人へ集めてはいけません。
まずは社内から候補者を2〜3人挙げ、本人の意欲、業務理解、活動時間を確認してみましょう。報告先や相談先まで整えて任命すれば、担当者が孤立せず、社内の生成AI活用を継続して進められます。
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